公開日:
2024.08.29
最終更新日:
2024.08.29
祝い花をもらったときのお礼のビジネスマナーとお礼状について

新規開店祝いやリニューアルオープン、役職の昇進など、あらゆる場面でお祝いとしてお花が贈られます。
華やかなお花を受け取ると、暖かい気持ちになるだけでなく、相手へぜひ感謝の気持ちを伝えたくなるでしょう。
そのようなときはぜひ「お礼状」を贈ることをおすすめします。
便せん一枚に気持ちがこもったメッセージを添えて相手へ贈ることで、お互いにより良い関係を築くことができるでしょう。
本記事では、お礼状の書き方と、お礼状と一緒に贈ると良いとされる品や贈ってはいけない品などについて解説します。
祝い花を贈ってくれた方へ対し、感謝の気持ちを伝えたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
祝い花をもらった際にお礼状は贈るべきか?
自身のお店をオープンしたときや、主催する発表会やコンサートの開催、役職の昇進祝いなどあらゆる場面で祝い花を贈られることがあります。
多くの場合は、祝い花をもらったときのお礼状は必要ないとされていますが、時間に余裕がある際はできるだけお礼状を贈りましょう。
特に個人的にお世話になっている方や重要なお取引先など、自身の将来に関わると思われる人にはきちんと感謝の気持ちを伝えるべきです。
豪華な品をお返しする必要はありません。
きれいな便せんにほんの少し心がこもった言葉を添えるだけで、感謝の気持ちを伝えられます。
加えて、相手から非常に良い印象を持ってもらうことにもつながります。
お礼状を書く際の最低限のマナーを知り、お互い気持ちの良い関係を築いていきましょう。
お礼状を贈るタイミング
お礼状は、お祝いを受け取ったらできるだけ早めに贈りましょう。
最もよいタイミングは、祝い花を受け取った次の日に贈ることです。
受け取った方も「忙しい中こんなにも早くお礼状を贈ってくれるなんて、なんてきちんとした人だろう!」と感銘を受けるはずです。
遅くても1週間以内には贈るよう心がけましょう。
日ごろから祝い花や贈り物を受け取る機会が多い方は、便せんとペンをカバンに入れており、嬉しいことがあったり親切にしてもらったりした際は、その場でお礼状を書いて贈れるようにしているそうです。
普段からお気に入りの便せんセットをカバンへ入れて、必要時にサッと書いて贈れるような、スマートなビジネスマンを目指してはいかがでしょうか?
お礼状の書き方
お礼状を贈る際に悩ましいのが、正式な書き方です。
相手に不愉快な思いをさせないためにも、また非常識な人だと思われないためにも、ていねいかつ正しい書き方を知っておく必要があるでしょう。
相手に気持ちが伝わる、正しいお礼状の書き方をご紹介します。
使用する便せん
贈る相手との関係にもよりますが、迷ったら縦書きの、白無地の便せんであれば問題ないでしょう。
しかしあまりにも味気ないと感じたら、淡い色や優しい色合いの便せんでも問題ありません。
メッセージカードとは異なるため、あまりにも奇抜で派手な柄はおすすめしません。
お礼状へ記載するべき項目
お礼状へ、最低限記載する項目は以下の通りです。
・祝い花へのお礼(時候の挨拶)
・おめでたい日があった日の翌日以降の出来事について、祝い花への感想
・締めの挨拶
お礼状は、ちょっとした感謝の気持ちをスマートに伝えるものですから、あまり長く書く必要はありません。
文章の頭に「拝啓」最後に「敬具」を添えましょう。
宛名の書き方
宛名を書く際は、自分の名前を相手の名前より小さく書くことを心がけましょう。
自筆で書く際は、誤字・脱字に注意し、美しい文字で記載します。
間違えて記載してしまったら、二重線を引いてよしとはせず、もう一度新しい紙で初めから書き直します。
気持ちが伝わりやすい書き方
お礼状は、必ず自身の言葉で伝えることを意識しましょう。
インターネットで検索すると例文がたくさん出てきますが、あくまで言葉遣いなどの参考程度にとどめ、自身が感じたことや季節に対して発見したことを素直に書くと、最もよく気持ちが伝わります。
また年齢が若い方なら、無理に難しい言葉遣いを記載するとかえって不自然に感じられる場合もあるため、通常通りのていねい語や敬語の使用をおすすめします。
お礼状のメッセージ例7選
以上を踏まえて、実際にお礼状のメッセージを7種類ご紹介します。
前述のとおり、参考にしていただいたうえで、氏名や必要な箇所を適切な言葉に置き換えたり表現を変えたりしてお礼状の文章を作成してみましょう。
◆【後輩・年下の方へ贈る場合(1)】
〇〇さんへ
こんにちは。先日は素敵なお花を送っていただき、ありがとうございました。
美しい花々のおかげで、部屋が一段と明るくなりました。お心遣いに深く感謝しております。
また、〇〇さんのおかげで、日々の仕事の疲れも和らぎました。
いつも気にかけてくれて、本当にありがとうございます。これからもお互いに頑張りましょう。
今後ともよろしくお願いいたします。
〇〇より
◆【後輩・年下の方へ贈る場合(2)】
〇〇さんへ
こんにちは。先日は素敵なお花を贈っていただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、部屋が華やかになり、心も明るくなりました。
お花を見ていると、〇〇さんの温かい心遣いを感じ、とても嬉しく思います。
日々の忙しさの中で、こうした心温まる贈り物を頂けることに感謝しております。
またお会いできるのを楽しみにしています。今後ともよろしくお願いいたします。
心からの感謝を込めて。
〇〇より
◆【同僚・同級生の方へ贈る場合(1)】
〇〇さんへ
こんにちは。先日は素敵なお花を贈っていただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、心身ともに温かい気持ちになりました。
〇〇さんの温かい心遣いに深く感謝しています。お花を見るたびに、楽しい思い出やお互いの友情を感じ、元気をもらっています。このような心温まる贈り物を頂けることに、本当に嬉しく思います。
これからもお互いに連絡を取り合い、友情を大切にしていきましょう。今後ともよろしくお願いいたします。
心からの感謝を込めて。
〇〇より
◆【同僚・同級生の方へ贈る場合(2)】
〇〇さんへ
こんにちは。先日は素敵なお花を贈っていただき、誠にありがとうございました。
〇〇さんの温かい心遣いに深く感謝しております。お花を見るたびに、日々の疲れも癒され、元気をもらっています。このような心温まる贈り物を頂けることに、本当に嬉しく思います。
これからもお互いに協力し合いながら、仕事に励んでいきましょう。今後ともよろしくお願いいたします。
心からの感謝を込めて。
〇〇より
◆【上司・目上の方へ贈る場合(1)】
〇〇部長へ
お疲れ様です。先日は素敵なお花を贈っていただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、部屋が一段と華やかになり、心も明るくなりました。
〇〇部長の温かいお心遣いに深く感謝しております。お花を見るたびに、励ましやご指導を思い出し、日々の業務に対するモチベーションが上がります。このような心温まる贈り物を頂けることに、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
これからもご期待に応えられるよう、努力して参ります。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
心からの感謝を込めて。
〇〇より
◆【上司・目上の方へ贈る場合(2)】
〇〇部長へ
お疲れ様です。先日は素敵なお花を贈っていただき、誠にありがとうございました。
〇〇部長の温かいお心遣いに深く感謝しております。
お花を見るたびに、励ましやご指導を思い出し、日々の業務に対するモチベーションが高まります。
このような心温まる贈り物を頂けることに、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
これからもご期待に応えられるよう、努力して参ります。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
心からの感謝を込めて。
〇〇より
◆郵送などで間接的にお花を贈ってくれた方へのメッセージ
〇〇様
こんにちは。この度は、素敵なお花を贈っていただき、誠にありがとうございました。
〇〇様の温かいお心遣いに深く感謝しています。お花を見るたびに、〇〇様のご厚意を思い出し、とても嬉しい気持ちになります。このような心温まる贈り物を頂けることに、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
残念ながら今回の会場ではお会いできませんでしたが、次の機会にはぜひお会いできることを楽しみにしております。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
心からの感謝を込めて。
〇〇より
どれほど親しい間柄でも、あまり砕け過ぎた表現は避けたほうが良いでしょう。
ていねいに伝えたほうが、より真摯に気持ちが伝わります。
はっきりと分かりやすい言葉でお礼の気持ちを伝えることが大切です。
主なお礼の方法
自身が誰かから祝い花を贈ってもらったときには、相手との関係によってはお礼状と共に、お返しの品を贈ると良いでしょう。
祝い花を贈ってくれた相手との関係別に、お礼状の内容と、共に贈ることがよいとされている品についてご紹介します。
感謝の気持ちを伝えて、今後ともよい関係を築きたいと考えていらっしゃる方は、ぜひ参考にしてください。
身内へ贈る場合
日ごろから親しい間柄ですので、あまりに堅苦しい文章や高価な品を贈ると、相手が恐縮してしまいます。
また他人行儀になるため、ぜひ相手が欲しがっていたものや日常生活にあると便利なもの、おいしい特産品などを贈るのがおすすめです。
お礼状には、柔らかめな時候の挨拶から入り、祝い花を贈ってくれたことに対する感謝の気持ちと相手の健康を気遣った言葉を添えましょう。
友人へ贈る場合
「親しき中にも礼儀あり」というように、親しい友人に対しても、しっかりお礼状は出しましょう。
学生時代の友人や、幼馴染など互いを良く見知った方なら、身内の方同様に堅苦しい文章は避けて、少し変わったフランクな品を贈っても良いでしょう。
しかし社会人になってからできた友人や同僚などは、ややていねいな文章を心がけ、ボールペンやブックカバーなど、ビジネスシーンで役立ちそうなものを贈るのがおすすめです。
取引先へ贈る場合
取引先を贈る際は、ある程度カッチリした文章が求められます。
あまり頻繁にかかわっていない場合はお礼状のみお送りしても問題ないですが、大口の取引先やお世話になっている方へ贈る際は、品物も一緒に贈ると喜ばれるでしょう。
贈る品は、相手が職場の人と食べられるよう菓子折りがおすすめです。
クッキーやビスケットなど、できるだけ日持ちが良い種類を選びましょう。
会場へ来られなかった人へ贈る場合
場合によっては、当日会場へ来られなかった方の中で、郵送などでお花を贈ってくださる方もいらっしゃるでしょう。
その方へ対しても、きちんと感謝の気持ちを伝えましょう。
会場に来られなかった方々へのお礼としては、以下のような方法が考えられます。
おすすめの順番に紹介します。
1.手紙やメールでのお礼
会場に来られなかった方々には、手紙やメールで直筆のお礼状を送りましょう。その際には、お花を贈ってくださったことへの感謝の気持ちや、会場に来られなかったことへの理解を示すことが大切です。またその場での様子や雰囲気を伝えることで、お花を贈ってくださった方も安心できるでしょう。
2.電話でのお礼
会場に来られなかった方へ、電話で直接お礼を伝えるのもよいでしょう。声を通じて感謝の気持ちを伝えることで、より温かいお礼になります。ただし相手が電話に出られない可能性もあるため、その際はできるだけ留守電にお礼とメッセージを言い、折り返しの電話が不要である旨を伝えましょう。
3.SNSやブログでのお礼
SNSやブログなどを活用してお礼の言葉を発信することも一つの方法です。写真と共に感謝の気持ちを伝えることで、多くの人にお礼の気持ちを伝えることができます。ただしそれほど距離が近くない方に対しては失礼にあたる可能性があるため、迷った際は手紙やメール、電話にてお礼を伝えましょう。
電話でお礼を伝える場合
電話でお礼を伝える際は、大きめの声ではっきりと伝えます。
また相手にもよりますが、比較的落ち着いており電話に出られそうな時間帯で電話をかけることが望ましいでしょう。
相手との関係別に、電話で伝えることが望ましいメッセージ例をご紹介します。
◆後輩・年下の方へお礼を伝える場合
贈られたお花、本当に嬉しかったです。気遣いにとても感動しました。お花がとても美しく、おかげさまで私の部屋が一気に華やかになりました。いただいたお花は大切にします。これからもよろしくお願いします。
◆同僚または同級生へお礼を伝える場合
素敵なお花をいただき、とても嬉しい気持ちでいっぱいです。お花をいただいたことで、とても励まされました。本当にありがとうございます。お花を贈ってくださったことで、改めて私の大切な仲間たちに恵まれていることを感じました。○○さんの温かい心遣いに心から感謝しています。これからもより一層仕事に励み、同僚や周りの方々に感謝されるような存在でありたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
◆先輩・目上の人へお礼を伝える場合
この度はお花を贈っていただき、誠にありがとうございました。心から感謝申し上げます。お忙しい中、私にお花を贈っていただき、本当に嬉しく思っております。そのお心遣いに感動し、大変励まされました。これからも精一杯努めてまいります。また、お会いした際に改めてお礼を申し上げたく存じますが、このような形でお礼を申し上げさせていただきました。今後とも何かとご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。改めて、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
お礼として選んではいけないもの
以下のようなものは、お礼状と一緒に贈ることで失礼にあたるため、避けた方が良いです。
◆現金
感謝の気持ちが伝わりにくいうえ、人によっては不快な思いをされる可能性もあります。商品券や商品カタログならほぼ問題ないでしょう。
◆包丁やハサミなどの刃物
「切る」という非常に縁起が悪い言葉を連想させてしまうため、お返しの品としてはふさわしくないでしょう。
◆陶器・ガラス
「割れる」という縁起の悪い言葉を連想させたり、壊れやすかったりすることから、贈り物としてはあまりふさわしくはありません。
またできれば、自社のロゴが入った記念品や非売品なども、品選びに手を抜いているような悪い印象を与えてしまうため、贈らないほうが無難です。
一旦はビジネス関係を横へ置いておき、心から感謝の意を伝えるようにしましょう。
まとめ
祝い花をもらった際のお礼状の書き方やタイミング、同時に贈ると良いとされている品についてご紹介しました。
祝い花は、相手が自身のために選んで購入し贈ってくれた大切なものです。
また、そのような素晴らしいプレゼントを贈ってくれる人たちに感謝の気持ちを持つことが大切です。
そのため祝い花をもらったら、できるだけ早くお礼状とお礼の品を贈りましょう。
ベストタイミングは翌日に、遅くても1週間以内に贈ることが望ましいでしょう。
お互いに感謝の気持ちを贈り合うことで、良い関係を長く続けることができます。